山奥にある小さな村に在る「こんなもんだろう」を何度も覆された。思わず「こ、こすげぇ〜」と何度も口走ってしまう山梨県小菅村へ。世界で1番有名な日本人 こんまりさんを世界へ導いたプロデューサー川原卓巳さんとご一緒させて頂いた。
卓巳さんと小菅村と「体力メンテナンス」な私。掴みどころが見つからない人もいると思う。気持ちはわかるが、ひとまず読み進めてもらえたら嬉しい。
山梨県小菅村
東京都心から車で約2時間。スカイツリー程の標高にある多摩源流の郷。かつての小菅村は、人口が2,200人。そこから40年間で1/3の700人。これ以上人口が減ると村の活動も行政機能も継続が難しくなり、村がなくなってしまうかもしれない状況だった。
その小菅村に一石を投じたのが「700人の村がひとつのホテルに 〜「地方創生」ビジネス革命〜」の著者でもある株式会社さとゆめ 代表取締役の嶋田さん。
今や嶋田さんと舩木村長、村の人々のチャレンジが功を結び観光客は2倍。「ガイアの夜明け」など多くのメディアで取り上げられコロナ禍でも好調。村の人口減少も下げ止まり、東京から本社を移す企業や村で誕生したベンチャー企業などで、移住者用住宅が足りなくなるほど。今 地方創生の成功モデルとして注目を集めているのが今回訪れた小菅村である。
卓巳さんと地方創生
そんな小菅村と卓巳さんの接点は「地方創生から日本を魅力的で強い国にする」
世界で成功し海外から日本を観る卓巳さんだからこそ、色濃く見える日本の今と未来。お話を伺うと興味深いことだらけだった。
今 世界をリードするのは、アメリカやヨーロッパ。主にIT系の産業が先陣切って進む中、日本は人口減少に伴い強い産業もない。そして海外の面白い作品に日本語字幕がつかなくなる程、世界での存在感が危うい。そんな日本が未来に向けて何をしたらいいのか。それは、観光によるインバウンド対策。
当たり前の中にいると当たり前の魅力が見えづらくなるが、スティーブ・ジョブズが禅を好んでいたように、日本独自のカルチャーは日本人が思うより海外で好まれている。
国内の移動時間が少なく収まる島国だからこそ、少し移動するだけで風土が違う。特産品や文化が違う。景色も違う。その土地で語れることがある。どこに行っても食が美味しくハズレがない!
海外の人にとって日本各地を巡る旅は、円安の影響もあり経済的にもコンテンツ的にも満足度が高い。地方創生から各地を巡る観光を盛り上げ、日本を魅力的で強い国にする。日本の縮図とも言える小菅村の実情には、未来を変えるヒントが詰まっているのだ。
小菅村の魅力
結論から言えば、実際に足を運んだ方が断然魅力を感じられる。お世辞ではなく、とにかく行ってみて欲しい。
山あいの源流の郷。当たり前にありのままの自然が豊か。人の手をほぼ加えられてない山中は、宝石箱のようだった。排気ガスで埃をかぶってない、ありのままのフカフカの苔がむし、次世代の栄養になろうとする倒木にきのこが命を芽吹く。川のせせらぎ、鳥のさえずり。リアルヒーリングミュージック。自然が育む「生まれたての空気」を全細胞へ行き渡らせたくなり、呼吸が深くなる。
実写版ジブリのような世界の中、山道を歩くと息がはずみ程よく心拍が上がる。生まれたての酸素で生産したATP。相当 質の高い体力が生産されたに違いない。
小菅村にいると、澄んだ空気で呼吸し、源流湧き立てのお水を巡らせ、豊かな土壌が育んだ季節の食を口にする。全細胞は喜ぶしかないのだ。とても貴重な体験をしたようだが、実はかつて存在していた本質的な人の在り方が小菅村の生活ではないだろうか。どこまでいっても「人は自然」 自然と細胞が呼応すると、余分なものは自然淘汰され、本質の心地よさに気づかされるものなんだ。と再確認させてもらった。
小菅村の魅力は自然だけではない。むしろここからが裏切られるところ。小菅村は革新的な場所でもある。道の駅では、デジタルの自動販売機でふるさと納税が購入でき、道の駅には山女魚のアンチョビを使ったピッツァが絶品なイタリアンレストラン。お値打ちに滞在できる機能的センス溢れるタイニーハウスが点在し、ネクストデリバリーというドローンで行う物流サービスが実際に機能している。ドローンが空を飛び交うドラえもんのような世界が、山奥の村に実在するなんて衝撃的だった。小菅村は時代に遅れてなんかいない。どこを切り取っても斬新で、むしろ最先端。村について想いを持ち丁寧に語ってくださる村民のみなさまの姿が、瑞々しく誇らしげで眩しかった。
そして2019年にオープンしたランドマーク。海外ウケも間違いない古民家改装ホテル「NIPPONIA 小菅源流の村」全ての部屋でインテリアやベッド、アメニティに至るまでこだわり抜かれ”こんなもんだろう”をはるかに超えていた。オシャレ。粋。庭で焚き火までできる。空間も食も超一流の「豊かさ」を味わせてくれるホテルだった。
街中に暮らし”モノがたくさんある便利”にほんの少し優越感らしきものを感じてた自分に気づき、「してやられた。小菅村の方が豊かじゃないか!」と自分がいかに小さな世界の住人だったのかとショックだった。
地方創生と体力メンテナンス
世界を知る人の視点に触れ、地方創生の現場を味わい「日本をより魅力的な国にする」同じ方向を向いてみると、私にできる「体力メンテナンス」との接点をいくつも見つけた。何か面白い化学反応が起こるかも。ほんの少しの期待も乗せつつ、私の備忘録として。全国の協会員みんなの活動ヒントになる種として。私なりのまとめを書いてみようと思う。
・高齢者向け 健康体操教室
村民の半分が高齢者。村にある医療機関は診療所1つ。身体を動かし暮らす生活環境はあれど、車を頼りにする場面も多いと思う。自分で自分の健康を守るスキルは、QOLの維持・健康寿命の延伸など村民のみなさまのお力になれるのではと思う。
・現役世代向け 体力メンテナンス
日本の未来を創る強い産業は、全て人の身体 思考 発想力 創造力 行動力から創られる。日本をリードしていく人を支えられるのが「体力メンテナンス」。心身健やかな身体と心でなければ強い産業もアイディアも生まれない。全ての源である心身を後回しにせず、体力メンテナンスを自分ごとだと感じてもらえたら嬉しい。地域創生に携わる人のパフォーマンス向上を目指す提案ができると思う。
企業単位であれば、福利厚生として座学講演もエクササイズ実施など、個人単位であれば、有酸素運動とセルフケアを含めたパーソナルレッスンやグループレッスンなど。リアル開催もオンライン開催でも様々なやり方で対応できると思う。
失礼を承知で書かせて頂くと、正直地方創生ってダサくて面白くない。ピンと来ないイメージだった。それが小菅村では「1/2村民」や「こ、こすげ〜」「ゾンビ村コスゲ」など、ポップでキャッチーなアイディアが溢れ、楽しみ実現してしまう行動力を感じた。楽しさの引力とノリたくなる質量の軽いアイディアを、見聞きしただけでつい巻き込まれたくなってしまう。これこそ正に体力が原動力だと思う。
・産前産後 キッズ向け
小菅村では移住者の子ども達が増えているとのこと。産後ケアから始まった弊協会としては、得意分野であるマタニティや産後ケアによる出生率向上。また、子ども達の思考力 創造力 発言力を育む学校では学べない切り口のキッズバランスボールや身体の勉強など。少子化対策や未来を担う子ども達の身体や心、未来の力になれると思う。
・デトックスリトリート
一番イメージしやすいデトックスとの接点。小菅村の自然や旬の食を味わいながら、デジタルデトックスやデトックスバランスボールなども取り入れたリトリート開催。源流の山散歩など、参加する人にも満足度高く、国内からの地域経済貢献やインバウンド対策とも繋がれると思う。
私が変態的に愛する「体力メンテナンス」「デトックス」は人類や世界を前に進めると信じてる。地域創生との化学反応により、日本の豊かさを拡大する道も無限に存在するのが感じられた。しかもこれは私だけでなく、全国各地の1,000人を超える協会員のみんなにも等しく活かせる切り口。ここからどう展開していくのか。未来が楽しみで仕方ない。
卓巳さんは、楽しさも豊かさも経済も全てが巡る世界を創ろうとしてるんだと思う。卓巳さんの想いに共感し、創造する一片として体力メンテナンスで一緒に未来を創り合いたい。
小菅村では私の中にある”こんなもんだろう”を何度も覆された。私自身は今 ”こんなもんだろう”で収まってないか。こんなもんだろうで収まるなんてダサくて面白くない。もっと超えてやろう。そんな気持ちにさせてくれる小菅村。大切な人と間違いなくまた訪れると思う。
最後になりましたが、素晴らしい機会を頂いた川原卓巳さん 丁寧にご案内下さった嶋田さん 舩木村長はじめ小菅村のみなさま ご一緒させて頂いたみなさま。かけがえのない時間に感謝いっぱいです。ありがとうございました!
追伸:私はすっかり小菅村ロスです。